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エクソソーム創薬のEXORPHIA、KIIから2億円調達 | 独自の精製・解析プラットフォーム技術「INPACT-EV™」を活用しパイプラインを拡充

エクソソーム創薬スタートアップの株式会社EXORPHIA(エクソーフィア、以下、当社)は、株式会社慶應イノベーション・イニシアティブ(KII)が運営するファンドを引受先とするシリーズPre-A第三者割当増資により2億円の資金調達を実施しました。今回の調達により累計調達額は6億円になります。今後、先行するパイプラインの臨床試験入りを目指しつつ、今回調達した資金を用いて様々な領域のアンメット・メディカル・ニーズに対応した新規パイプラインを拡充させてまいります。

大手町ラボの様子

■資金調達の背景

エクソソームは細胞由来の微小な小胞であり、様々な分子(RNAやタンパク質等)を標的細胞に効率的にデリバリーできることから新たな創薬モダリティとして注目を集めています。新たな論文も年間1,000報を超え、細胞種による成分や機能の違いも明らかになってきました。しかし、これまでエクソソームを医薬品レベルの品質で分離・精製する技術や特性解析する手法は十分に確立されていませんでした。

当社は、2019年の創業以来独自に研究を進め、活性を損なうことなくエクソソームを高純度に濃縮・精製し、特性解析するプラットフォーム技術「INPACT-EV™」を開発しました。本技術で創製した骨髄MSC(間葉系幹細胞)由来エクソソーム製剤EXP01は、2つの肺障害(特発性肺線維症(IPF)及び急性呼吸窮迫症候群(ARDS))のマウスモデルに対して承認薬(注1)に劣らない薬効と承認薬より高い安全性を示しています。現在、この作用メカニズムを解明するために順天堂大学医学部附属順天堂医院 呼吸器内科 十合晋作 准教授らと共同研究を実施しています。

また、当社では、製造工程の機械化を進めることにより、安定した品質と収量でのエクソソーム製造を可能にしました。現在、EXP01の治験実施に向けて製造のスケールアップと前臨床試験を実施しており、順調に進めば2023年後半に米国でヒト初回投与試験の届け出を行う予定です。

■パイプラインの拡大

今回調達した資金では、EXP01に続く新たなパイプラインの開発に取り組んでまいります。

第1の新規パイプライン候補は、東京大学医科学研究所附属病院臍帯血・臍帯バンクから提供を受けた臍帯MSCを用いて創製したEXP02です。これまでに臍帯MSC由来エクソソームの内包物質のプロファイルを活かした対象疾患の候補を選定しており、今年度(2022年度)、同病院セルプロセッシング・輸血部 長村登紀子准教授らとの共同研究により動物モデルを用いた薬効評価を実施します。

また第2の新規パイプライン候補は、東京大学医科学研究所感染・免疫部門 ワクチン科学分野 石井健教授らとの共同研究で取り組むデザイナーエクソソームです。工学的な手法によりエクソソームの表面または内部に機能分子をローディングする新たな基盤技術を確立し、免疫系を調整することで特定の疾患に対する治療薬となる「エクソソームワクチン」の創製を目指します。

■今回の調達を踏まえた今後の成長戦略

このように当社は、先行するパイプラインの臨床試験入りを目指すとともに、独自の基盤技術に基づき、様々な疾病に対するエクソソーム創薬のパイプライン拡充を進めてまいります。これらにより、将来の爆発的な成長が見込まれるエクソソーム医薬品市場で確固たる地位を築くことを目指します。

■株式会社EXORPHIA代表取締役社長 口石幸治のコメント

「エクソソーム創薬の可能性に注目してゼロから創業して以来、個人投資家及びD3 LLCの出資を受けシーズ開発を進めてきました。この度、事業拡大のタイミングでバイオベンチャーへの豊富な投資育成実績を有するKII様を新たな株主として迎えられたことを大変嬉しく思います。今後、研究開発人材及びグローバル人材を積極的に採用して技術基盤及び経営基盤の強化を進め、世界の市場で戦えるよう準備を整えてまいります。」

■株式会社慶應イノベーション・イニシアティブ 執行役員 本郷有克氏のコメント

「今回EXORPHIA社様へ出資させて頂きましたこと、大変嬉しく存じます。エクソソームというニューモダリティーに取り組む姿勢や、多くのアカデミアの先生や投資家などを巻き込んで事業を推進していく口石氏の手腕に感銘を受けております。今後の事業展開により、是非とも日本を代表するバイオテックに成長していただきたいと期待しており、KIIもその成長に一部でも寄与出来ればと考えております。」

■(既存投資家)D3 LLCパートナー綿谷健治氏のコメント

「これまでの低分子医薬や抗体医薬と異なり、複数の作用点で働くエクソソーム創薬は次世代医薬品として世界的に高い注目を集めております。EXORPHIAは独自のプラットフォームを開発すると同時に、ベンチャー企業としての高い事業マインドを持って複数の研究機関とシーズ開発を進めてきており、日本の新たな創薬ベンチャーモデルとしても期待しております。D3も設立時からの投資家として、今後もより一層の支援を続けてまいります」

■株式会社EXORPHIAについて

株式会社EXORPHIA(エクソーフィア)は、エクソソームの次世代の治療手段(ニューモダリティー)としての可能性に注目し、大学発ではなくマーケットインのアプローチで創業した創薬スタートアップです。創薬経験豊富な研究員が独自にシーズを創製した後、著名な大学研究者及び臨床専門医を研究パートナーとして評価を進め、数年でパイプラインのステージアップと基盤技術の強化を進めてきました。

当社は、未だ有効な治療法のない難治性疾患を対象に、エクソソームの特性を活かした安全で効果の高い医薬品シーズをグローバルに開発することを通じて、医療のイノベーション創出に貢献します。

■株式会社EXORPHIAの概要

社名:株式会社EXORPHIA(エクソーフィア)
設立:2019年5月7日
所在地:〒100-0004 東京都千代田区大手町1-6-1 大手町ビル6階Inspired.Lab 668区
代表者:口石 幸治
資本金:5億7百万円(資本準備金含む)
URL:https://exorphia.com/

■KIIの概要

商号:株式会社慶應イノベーション・イニシアティブ(Keio Innovation Initiative, Inc.)
事業内容:大学発技術系ベンチャー企業の育成、ベンチャーキャピタルファンドの運営
資本金等:1億円(資本準備金5000万円を含む)
代表者 :代表取締役社長 山岸広太郎
URL  :http://www.keio-innovation.co.jp

■エクソソームについて

細胞から分泌されるナノサイズ(直径30-200nm程度)の小胞です。2007年に細胞間でRNA(メッセンジャーRNA及びマイクロRNA)を運搬していることを示す論文(注2)が発表されて以来、世界中で活発に研究されており、2021年には年間3,000報(前年比120%)を超える論文が発表されました(注3)

医療応用は、治療標的及び疾患バイオマーカーとしての利用に始まり、最近では細胞を用いない次世代の治療手段としての期待が高まっています。世界ではがん、希少疾患、COVID-19等を対象とした治療用製剤としての早期臨床試験が実施されており(注4)、アメリカNASDAQへの上場事例や大手製薬との提携事例により、投資家の期待も高まっています。

日本国内でも、2021年8月に独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)において「エクソソームを含む細胞外小胞(EV)を利用した治療用製剤に関する専門部会」が設置され、開発ガイドライン策定に向けた検討が進められています。

■共同研究パートナーについて

(注1) 特発性肺線維症(IPF)モデルに対するニンテダニブと、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)モデルに対するデキサメタゾン
(注2) Valadi, H., Ekström, K., Bossios, A. et al. Exosome-mediated transfer of mRNAs and microRNAs is a novel mechanism of genetic exchange between cells. Nat Cell Biol 9, 654–659 (2007).
(注3) pubmed.ncbi.nlm.nih.gov, The U.S. National Center for Biotechnology Information
(注4) clinicaltrials.gov, The U.S. National Library of Medicine.

本件に関するお問い合わせ先
株式会社EXORPHIA 広報担当
担当:瀧本 080-5827-6701
Mail:Info@exorphia.com

本リリースに掲載された内容は発表日現在の情報です。

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