開発ステージ(2025年5月時点)
短期収益化と長期的成長を両立する、戦略的なポートフォリオを構築しています。
分 類 | 品 目 | 領 域 | 対象 | 共同研究 | 探索研究 | 前臨床 | 臨床試験 |
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天然型 | EXP01 | 肺 | ①肺障害 (IPF, ARDS) | ||||
皮膚 | ②アトピー性皮膚炎(AD) | パートナー探索中 | |||||
泌尿器 | ③慢性腎臓病(CKD) | ||||||
EXP02 | 生殖 | ④体外受精(IVF) | 培養液に添加する試薬として、 早期の上市を計画 |
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改変型 | EXP03-Flu | 感染症 | ⑤呼吸器感染症 | ||||
EXP03-AI | 免疫 | ⑥自己免疫疾患 |
※各疾患をターゲットとする理由はこちらをご覧下さい。
① EXP01の用途1;肺障害(IPF、ARDS)治療薬
EXP01は、骨髄間葉系幹細胞(MSC)由来のEV 製剤です。当社独自の細胞活性化技術により優れた炎症抑制作用と線維化抑制作用を有しながら、副作用のリスクが低いことが特徴で、炎症性疾患及び線維症を中心に幅広い疾患領域への応用が期待されます。当社はEXP01を、まず肺障害(特発性肺線維症(IPF)および急性呼吸窮迫症候群 (ARDS))に対する治療薬とすべく研究開発を行っています。これまでに非臨床薬理薬効試験、動態、および安全性試験のデータパッケージが完成し、米国での臨床試験実施に向けて準備を進めています。
また、将来的な国内臨床試験の実施と他の呼吸器疾患への適応拡大を視野に、2024年より東京大学大学院医学系研究科の鹿毛秀宣教授らと共同研究を開始しました。
② EXP01の用途2;アトピー性皮膚炎(AD)治療薬
アトピー性皮膚炎(AD)の治療は、生物学的製剤やJAK阻害剤の登場により大きく進歩しました。しかし、寛解導入におけるステロイド抵抗性の症例や、長期的な寛解維持の難しさなど、依然として重要なアンメット・メディカル・ニーズが残されています。
当社の「EXP01」は、これらの課題に対し、局所投与によって「炎症の再燃を抑え、皮膚本来の健康な状態を取り戻す」という新たな治療コンセプトを提示します。「EXP01」が有する優れた抗炎症作用と組織修復能力は、難治性の病変に対しても効果的な寛解導入をもたらすことが期待されます。
さらに、その作用は一過性の症状抑制に留まりません。皮膚バリア機能の再構築と免疫環境の正常化を促すことで、治療後の効果持続、すなわち長期的な寛解維持を可能にする、根本的な治療薬となる可能性を秘めています。
私たちは、このユニークな治療コンセプトの実現に向け、臨床開発を共同で推進するパートナーを探しています。
③ EXP01の用途3;慢性腎臓病(CKD)治療薬
CKDは上皮細胞の細胞障害と線維化を主体とした組織変化を伴う疾患です。EXP01は、上皮細胞の細胞死を抑制する作用と線維芽細胞を介した繊維化を抑制する作用を示すことから、対象疾患としてCKDが有望であると考えられます。そこで当社は、臨床での薬効予測性が高い評価系である、CKD患者由来の尿細管上皮細胞オルガノイドの開発者である東京科学大学大学院医歯学総合研究科の森雄太郎助教らと2024年より共同研究を開始しました。森助教らの構築したCKD 患者由来のオルガノイドを用いて、効率的かつ臨床予測性の高い有効性評価を実施します。
④ EXP02の用途;生殖領域、不妊治療(体外受精(IVF)添加剤)
EXP02は、臍帯MSC由来のEV製剤です。当社独自製法により、卵子と精子の発達に重要な分子群を豊富に含んでいます。
マウスを用いた実験により、体外受精の培地に少量添加するだけで、受精卵の発育不良を大きく改善する効果が確認されています。体外受精の成功率を高める添加剤として、不妊治療クリニックに販売することを目指しています。
この開発では、東京大学医科学研究所附属病院の長村登紀子准教授から臍帯MSCの供与を受け、東京大学大学院医学系研究科の熊澤惠一准教授から研究に関する助言を受けています。また、2025年度より三重大学大学院医学系研究科産科婦人科学講座の武内大輝助教と、未熟な卵子を成熟させる効果を評価する共同研究を開始しました。
本開発は、2024年度よりNEDO DUSU事業の支援を受けてます。
⑤ EXP03 Fluの用途;季節性インフルエンザワクチン
EXP03 Fluは、改変EVを活用した経鼻投与型の吸感染症予防ワクチンです。ウイルス表面抗原をEV膜に効率的に提示することで、粘膜免疫と全身免疫の両方を誘導し、インフルエンザやCOVID-19など飛沫感染症に対する予防効果が期待されます。
⑥ EXP03 AIの用途;自己免疫疾患治療薬
EXP03 AIは、抗原特異的な免疫寛容を誘導する改変EVを用いた自己免疫疾患治療薬です。疾患関連抗原をEV膜に搭載し、過剰な免疫反応を選択的に抑制することで、自己免疫疾患の根本治療を目指します。