テクノロジー / Technologies

エクソソームの原料となる細胞培養上清には多様な成分が含まれており、エクソソームだけを単離することは技術的に困難です。
また最終的に得られるエクソソームの薬理活性及び収量は、製造工程中の様々な条件によって大きく変動します。このような理由で、エクソソームの品質を医薬品のレベルで管理することは困難とされていました。

当社は、バイオ医薬品の製造システムと特性解析技術を用いて繰り返し条件検討を行い、薬効を指標に工程を最適化することによって、高活性・高濃度のエクソソーム製剤を創製するプラットフォームINPACT-EV®を独自に開発しました。INPACT-EV®によって、細胞由来の薬効成分の活性を損なうことなく、大量にエクソソームを精製することを可能にします。


また、自社ラボで細胞培養からエクソソームの製造、特性解析及びin vitro薬理評価に至るまで一貫して実施することにより、製造ノウハウおよび品質データの蓄積を進めています。

新たな取り組み
〜デザイナーエクソソームの基盤技術開発へ〜

今年度より、東京大学医科学研究所 感染・免疫部門 ワクチン科学分野 石井健 研究室と、エクソソームの表面または内部に機能分子をローディングすることにより、エクソソームの薬物送達システムとしての機能を自由にデザインする「デザイナーエクソソーム」の共同研究にも着手しました。本技術の最初のアプリケーションとして、免疫系を調整することによって、特定の疾患に対する治療薬となる「エクソソームワクチン」の創製を目指しています。