2024.05.23

エクソソーム医薬品が切り拓く、難治性疾患治療の新時代

エクソソーム医薬品への期待が高まっています。米国国立衛生研究所(NIH)の臨床試験データベースClinicalTrials.govによると、エクソソーム(または細胞外小胞)を用いたPhase1〜3の臨床試験の登録件数は、2019年末の16件から2023年末には75件へと、わずか4年間で4.7倍に急増しました。これらの臨床試験は各国の規制当局の許可のもと、安全性と有効性の評価を目的として実施されるものです。

一方、美容や抗加齢を謳って安全性や有効性が不明なエクソソームの使用を勧める例が散見されます。こうしたエクソソーム使用については、米国食品医薬品局(FDA)や日本再生医療学会からたびたび警鐘が鳴らされてきました。エクソソームに大きな可能性を感じつつも、医療事故のリスクに不安を覚える方は多いのではないでしょうか。

当社は創業当初から、エクソソームを医薬品として開発することにこだわってきました。薬効を高める独自の細胞活性化技術やエクソソームを損傷することなく大量精製する技術、さらに薬効の再現性を担保する分析技術など、医薬品レベルのエクソソーム製造基盤を確立しています。

また、国内外の規制当局のガイダンスや学会の提言に準拠し、厳格な製造管理体制を敷いています。非臨床・臨床試験は製薬企業出身者らが適切に設計・実施し、薬事規制の専門家を交えて関連法規を遵守しています。

特に力を入れているのが、エビデンスの構築です。動物実験で、自社のPrime-EV®が既存薬を凌駕する治療効果を示したことを皮切りに、急性呼吸促迫症候群(ARDS)や難治性の肺線維症を対象に、米国での治験実施を目指して着々と準備を進めています。

新たな治療選択肢を一刻も早く世に出し、難治性疾患に苦しむ患者さんやご家族に希望をお届けしたい。私たちはその思いで日々研究開発に打ち込んでいます。より良い医療の実現に向けて、皆さまのご理解とご支援をお願い申し上げます。