患者さんのための新薬という目標に向かって、
自分もいきいきと研究ができるという確信をもって入社しました。
私は前職も製薬会社で研究開発に携わっていましたが、その中で新たな研究テーマの立ち上げを検討した際に、今後は新しい「モダリティ(=創薬基盤技術の方法、手段の分類)」の創薬研究をしなければ、この業界では生き残れないということがだんだん分かってきました。
もちろん前職でもそれに取り組むチャンスはありましたが、必ずしも自分が創薬研究の現場で手を動かす立場ではいられないかもしれない。そんな思いを抱える中、まさに新たなモダリティである「エクソソーム」の研究開発をスタートアップという立場で行っている当社の研究員からお声がけをいただいた、それがきっかけでした。
その後、実際に社長や部長と話をさせていただき、新しい薬、患者さんのためになる薬という目標に向かって研究を進めている会社だということが熱く伝わってきました。この方々と一緒であれば自分もいきいきと研究ができる、それを確信して入社を決断しました。
現在当社が研究開発を行っている医薬品候補「EXP01」は、間葉系幹細胞由来のエクソソームを分離・精製した製剤ですが、この製剤は強い抗炎症効果と組織修復能力等による複合的な薬理作用を持ちながら副作用が少ないことが動物実験及び細胞実験にて確認されており、画期的な治療薬となる可能性があります。
このEXP01が、特に集中治療の現場でアンメット・メディカル・ニーズの高い急性肺障害に対して治療効果を示すかをヒト細胞や動物モデルで確認する、またその評価系を構築するといった業務が私の主な仕事です。
間葉系幹細胞製剤は既に実用化されていますが、この治療効果の本体は実は細胞が産生するエクソソームであることが最近の研究で知られるようになりました。エクソソームは細胞の数百分の1ほどの大きさの微粒子で、RNAやタンパク質などの生理活性物質を多く含んでいます。
私たちはこのエクソソームを当社独自のINPACT-EV®というプラットフォーム技術で分離・精製をして医薬品にする試みを行っているわけです。
エクソソームの薬効について、自分の貢献で良いデータが出ればそれが直接会社の価値の向上に繋がりますので、そこにやりがいを感じます。もちろん、どこの会社に在籍していても同様のやりがいはあるはずですが、大きな組織の中ではなかなか実感を得にくいものです。
それが当社のようなスタートアップの場合は、組織の成長に自分が直接貢献していることが感じられる、そこに違いがあります。
まだこの世界に存在しない新モダリティの創薬研究ですので、実際に自分と日々連携して働いている製造チームが作ったサンプルを私が評価し、薬効を確認できた瞬間は、人類の医療技術発展の最前線を開拓している喜びが湧いてきます。
この大手町というオフィス街で細胞実験ができる環境があるというのは驚きでした。通勤面でも自分には都合が良く、とてもありがたく感じています。
私はやりたいと思ったことはとことん突き詰めたいタイプなのですが、以前の職場では残業となる業務はなるべくしないよう指導されていました。それが当社の場合、研究員は基本的に裁量労働制で給与は固定年俸制ですから、時間を気にせず自分の気の済むまで業務を行うことができ、働きやすさを感じています。
自分で働き方を調整できるので、家庭の事情にも融通が利くのがありがたいですね。私の場合、夜型なので以前は遅めの出社で夜遅く帰宅することが多かったですが、最近子供が生まれたため朝早く出社して早く帰るようになりました。
また、育児休業や介護休業など一般的な会社に備わっている福利厚生制度はしっかりと整っていますし、勤務に関する相談もしやすい雰囲気なので、家庭のことも心配せず、安心して働ける環境、雰囲気だと感じています。
勤務環境は整っているので、製薬会社から転職してきても働きにくいということはありません。むしろ、新しいモダリティの創薬研究を自分自身が中心となって、かつ裁量を持って進めていけることはとても魅力的です。
企業研究者として革新的な新薬を創りたいけれど、それができずにモヤモヤしている方には、ぜひとも勧めたい。そんな方と一緒に働きたいと思います。